映画『SAKAMOTO DAYS(サカモトデイズ)』が4月29日に公開されました。
本作は、「週刊少年ジャンプ」で連載中のコミック『SAKAMOTO DAYS』を実写化した映画。俳優の目黒蓮さん演じる“元”殺し屋「坂本太郎」と、坂本を取り巻くキャラクターたちの日常を描く、バトルありコメディありのエンターテイメント作品です。
累計発行部数1500万部を超える大人気作品の実写化ということで、SNSでは映画化発表から公開を待ち望む声が多数あがっていました。
坂本太郎の妻で、坂本が殺し屋を辞めるきっかけを作ったキーパーソンでもある「坂本葵」役を務めたのは、俳優の上戸彩さん。BuzzFeed Japanでは、上戸さんに撮影の舞台裏や、俳優活動にかける想いについて話を伺いました。
※この記事では作品のストーリー展開について触れる箇所があります
原作ファンの期待を裏切らないように
――坂本葵役のオファーが来た時の心境はいかがでしたか。
最初お話をいただいた時に原作を読んで、もう一気にファンになりまして。坂本の気持ちを動かした葵役をいただけたのはすごく嬉しかったですし、ぜひやりたいなと思いました。
映画では作品の舞台である「坂本商店」のセットや、キャラクターたちの衣装など、ビジュアル面でも本当に原作に忠実に作り込んでいたので、“いちSAKAMOTO DAYSファン”として嬉しかったです。その後はアニメ化の発表や、グッズが販売されるたびに喜んでいました。
――『SAKAMOTO DAYS』の原作を読んで、どんな感想を抱きましたか。
まず、お話のテーマが面白かったですね。もともとカッコいいプロの殺し屋だった坂本から、葵に一目惚れをして引退して、でんと太って家族に安心感を与える坂本になって。それでもアクションのシーンでは、坂本はものすごくかっこいいし、「個人商店の店長でありながら元殺し屋」というギャップが魅力ですよね。
あとは家族愛だったり、仲間との友情だったり、戦う相手に対する愛だったり、キャラクターみんなが愛を抱えている点もとても良いなと感じました。
――坂本葵を演じる上で特に意識した点はどこでしょうか。
本作に限らず、原作のある作品はやはり「原作ファンの方々あってのもの」だと重く受け止めているので、とにかくその期待を裏切らないことが大事だと考えています。
葵役にあたっても、自分らしさを出したいとか、“新しい葵像”を作りたいという気持ちは全くなく、「どうやったら葵に近づけるか」を常に考えていました。まずは少しでも見た目から近づけるように、髪を黒く染めて、前髪を切りました(笑)。
葵の内面については、大切な家族がいる妻の役ということで、私自身と被る部分や共感できるポイントも多かったので、そこまで普段の自分からかけ離れた役だとはあまり感じませんでした。
一方で、監督の福田雄一さんはどちらかというと「原作の葵にとらわれすぎないように」というスタンスだったので、実際の撮影ではその間を取りながら演じた形です。
「それ、撮る前に言ってよ!」と思ったシーンは…
――特に印象に残っているシーンを教えてください。
印象的だったのは、遊園地で葵が怒るシーンですね。自分でも血管が切れそうだなと思いながら、自分の中でも一番の“ドス”を効かせられるように意識しました。撮影中、福田監督から「もっとこうしてほしい」と言われることはほぼなかったのですが、このシーンだけは「本気で怒ってくれ」「もっと怒ってくれ」と強く求められました。
撮影した後に、実はあのシーンは、過去に監督が奥様から守ってもらう形で似たような経験があったというお話を教えてくれました。当時起きたことを、それこそ映画の演出をしている時みたいに事細かに話してくれたので、私としては「それ、撮る前に言ってよ!」と思いました。監督の話を先に聞いていたら、倍くらい怒れたなと(笑)。
――撮影で大変だったポイントはありましたか?
私が演じる葵が登場するのは坂本商店と坂本家、あとは遊園地といった場所での、激しい動きがないシーンが中心でしたが、そんな中で葵が高いところから飛び降りるシーンがあります。アクションシーンが多い本作の中で、これもアクションと言っていいのかわからないのですが、ワイヤーをつけて撮影しました。
私はワイヤーアクションが大の苦手なので、本当に手に汗握りながら撮影していました。ビビっているところが映像に出ていないといいな、と願っています。
目黒蓮から「あまり笑わせないでください」
――坂本太郎役の目黒蓮さんは、上戸さんから見てどんな印象でしたか。
目黒さんは誠実で真面目で、こちらからアクションを起こさなかったら話す機会がないまま終わりそうという感じの方だったので、私はその日1日、1回でも多く笑ってくれるように、目黒さんと一言でも多く話そうという意識で現場に行っていました(笑)。
目黒さんとは、「ふくよかな坂本」の姿で共演するシーンがほとんどだったので「上戸さん、特殊メイクが剥がれるからあまり笑わせないでください」とずっと言われていました。
坂本のメイクって4時間くらいかかるし、重たいし、暑いしといった具合にとても大変そうだったのですが、目黒さんは辛さを一切表に出さずに撮影に臨まれていて、本当にすごい方だなと思いましたね。
また、目黒さんから坂本と葵の関係について調整いただいた点もありました。葵は脚本の段階では原作よりも“怖い妻”寄りのキャラクターとして描かれていました。坂本が尻に敷かれているというか、葵にビビっているシーンの割合も多かったのですが、目黒さんが「坂本は葵のことが好きで一緒にいるのに、これだと怖くて一緒にいさせられているように見えちゃうかもしれないから、僕はこれをちょっと変えたいんです」と言ってくれて。
目黒さんのおかげで二人の間の絆の見え方が少し変わったと思うので、実際にどう仕上がったのか、映画本編を観るのが楽しみです。
あと、遊園地のシーンは、園内に一般のお客さんもいらっしゃる中での撮影だったのですが、ふくよかな坂本の姿を見て誰も中身が目黒さんだと気づいていないのでとても貴重な瞬間を目撃させてもらいました。
――坂本花役の吉本実由さんと、親子役で共演した感想はいかがでしたか?
もう可愛かったですね。私も実由ちゃんも梅干しが好きで、新しい梅干しのお菓子を見つけては現場で一緒に食べたり、「陸少糖(ルーシャオタン)」役の横田真悠さん、実由ちゃんの3人で携帯アプリで一緒に遊んではゲラゲラ笑ったりして、楽しかったです。
家族を持ったことで「仕事に対する向き合い方」に変化
――上戸さんご自身も子育てをしながら俳優のお仕事を続けられていますが、仕事との向き合い方で変化を感じる点はありますか。
やはり家族を持つ前と持った後とでは全然違いますね。まずなにより、いただけるお仕事に対しての感謝の気持ちがさらに倍増しました。
家族がいて、仕事に費やせる時間などいろいろな制限がある中、たくさんの俳優さんの中から自分を選んで仕事をいただけるということは本当にすごく嬉しいですし、自分がやると決めた仕事については、恩返しの気持ちでいつも臨んでいます。
また、だんだん私が妻や母親の役を演じることに、違和感がなくなってきたと感じています。TVドラマ『半沢直樹』の時も、当時はものすごく勇気のいる挑戦でしたが、そこから妻役としてのイメージを持っていただけて、今こうしていろいろなお仕事につながっているので、非常にありがたい経験だったなと思います。
――ご家族といる時の上戸さんと、俳優としての上戸さんとで、スイッチが切り替わる瞬間はありますか?
「車に乗った瞬間」ですかね。家族といた空間と別れて、無音の車内に入るとやっと仕事に切り替えられるという感じです。
やはり家では台本を開くこともできないし、自分1人の時間じゃないと役と向き合えないと感じているので、家族の時間と、仕事の時間は全く別物として考えています。
一方で、『SAKAMOTO DAYS』もそうですが、自分の子どもが私の出演した作品のファンになってくれた時は、この仕事をしていて本当によかったなと思います。舞台挨拶の機会などで子どもが喜んでくれるのは、とても幸せですね。
――俳優としての今後の展望について教えてください。
こういう役に挑戦したい、こういう作品に出たいといった気持ちはあまりなく、それよりは「求められる人でいたいな」という気持ちがずっとあります。そのためには、今いただけるお仕事も一生懸命にやりたいですし、これからも1つ1つの作品を大事にしていきたいです。
映画『SAKAMOTO DAYS』
公開日:2026年4月29日
脚本・監督:福田雄一
原作:鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』(集英社「週刊少年ジャンプ」)
出演:目黒蓮、高橋文哉、上戸彩、横田真悠、塩野瑛久、渡邊圭祐、戸塚純貴、八木勇征、生見愛瑠、北村匠海
上戸彩さん衣装クレジット
ヘアメイク:犬木愛(agee)
スタイリスト:宮澤敬子(WHITNEY)
ワンピース ¥217,800
ピアス ¥39,600
ネックレス ¥69,300
ブーツ ¥132,000(全て、フォルテ△フォルテ/コロネット)



